「事務の仕事に興味はあるけれど、経験がない」。そんな気持ちで、このページを開いてくれたのかもしれません。事務の仕事の始め方は、1通りではありません。入口がいくつかあることを知っておくと、自分に合う進み方を選びやすくなります。
このページでは、未経験から事務を始めるときの入口を、直接雇用、登録型派遣、無期雇用派遣の3つに分けて整理します。分け方のものさしは、「誰に雇われるか」と「契約の期間」です。むずかしい言葉は、出てきたところで言い換えます。
3つの入口を、雇う会社と契約の期間で比べる
事務の仕事は「事務的職業」というグループ
厚生労働省編職業分類では、一般事務員、総務事務員、人事事務員、経理事務員、営業事務員などが「事務的職業」にまとまっています(ハローワークインターネットサービス「06 事務的職業」)。仕事の中身の違いは、事務の仕事の内容を整理した記事で説明しています。ここでは、仕事の中身ではなく、「どんな雇われ方で始めるか」に注目します。
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ものさしは「誰に雇われるか」
雇われ方は、まず「雇用主が誰か」で分かれます。
働く会社に直接雇われる形が、直接雇用です。会社と本人が雇用契約を結び、その会社で働きます。職業紹介(求人している会社と求職者のあいだで、雇用関係が成り立つように橋渡しすること)を使って、この形で働き始める人もいます(厚生労働省「労働者派遣事業を適正に実施するために」)。
派遣は、三者の関係です。雇うのは派遣会社(派遣元)で、働く先は別の会社(派遣先)になります。仕事の指示は派遣先から受けますが、雇用主は派遣会社のままです(同じ資料)。
入口1:直接雇用
仕事をする会社と、雇用契約を結ぶ形です。正社員、契約社員、パート・アルバイトなどがここに入ります。
事務の求人では、会社の中で長く働く前提で採用されるものもあれば、期間を決めて募集されるものもあります。契約の期間は求人ごとに違うので、求人票で確かめます。
入口2:登録型派遣
登録型派遣は、派遣で働きたい人があらかじめ派遣会社に登録しておく方法です。仕事が決まるときに、期間の決まった労働契約を結び、有期雇用派遣労働者として働きます(同じ資料)。
仕事ごとに契約を結ぶので、いろいろな職場の事務を経験してみたい人には、選びやすい入口かもしれません。契約の期間が決まっているぶん、次の仕事をどう探すかは、その人ごとの課題になります。
入口3:無期雇用派遣
無期雇用派遣は、派遣会社に、期間を決めずに雇われて働く形です。法律では「無期雇用派遣労働者」と呼ばれます(同じ資料)。
雇うのは派遣会社で、働く先は派遣先という点は、登録型と同じです。違うのは、派遣会社との契約に期間の定めがないことです。派遣会社が、派遣先の仕事が終わっただけで解雇できる決まりを置いていないことも、国の許可の基準になっています(厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」の新しい許可基準の欄)。くわしくは、無期雇用派遣とはの記事で整理しています。
3つの入口を並べると
| 直接雇用 | 登録型派遣 | 無期雇用派遣 | |
|---|---|---|---|
| 雇う会社 | 働く会社 | 派遣会社 | 派遣会社 |
| 働く先 | 雇われた会社 | 派遣先 | 派遣先 |
| 契約の期間 | 求人ごとに違う | 期間の定めあり | 期間の定めなし |
どれがよいかは、人によって違います。表は優劣を示すものではなく、違いを見やすくするためのものです。
求人票で入口を見分けるヒント
厚生労働省のリーフレットには、求人票の見本があります。見本には、契約期間の欄に「期間の定めなし」、さらに「派遣労働者として雇用する場合」の欄が並んでいます(厚生労働省「労働者の募集ルールが変わります」)。つまり、求人票のこれらの欄を読むことが、どの雇われ方なのかを見分けるヒントになります。
同じリーフレットは、「正社員」と書きながら、実際にはアルバイト・パートの求人であることを、虚偽の表示の例に挙げています。求人を読むときは、次の3つを確かめましょう。
- 契約期間の欄に、期間の定めがあるかないか
- 雇用形態の欄が、直接雇用か派遣か
- 募集している会社の名前が、実際に雇う会社か
派遣の求人なら、雇うのは派遣会社です。働く先の会社名と混ぜないように読むのがコツです。
経験がなくても、入口は考えられます
ここからは、公的な資料に書いてある事実ではなく、運営会社の考えです。経験がなくても、事務の仕事への入口を調べて、動き出してみることはできます。未経験から始めるときは、仕事を覚える場がどう用意されているか(入社後の研修や、先輩のサポート)も、入口を選ぶ手がかりになります。応募の前に、聞いてみましょう。
入口を選ぶときに考えたいこと
ここも運営会社の考えです。どの入口が合うかは、次の3つの問いで見えてくることがあります。
- 同じ職場で腰を据えて働きたいか、いろいろな職場を経験してみたいか
- 契約の期間があることを、前向きに受け止められるか。それとも、期間の定めがないほうが安心か
- 仕事を覚える場(研修・先輩のサポート)が、どのくらい用意されていてほしいか
答えは、生活の状況によっても変わります。入口は1つに決めなくても、気になるものを2つ並べて、求人票と見比べるところから始めてかまいません。
次にやること
- 3つの入口のうち、気になるものに印をつける
- 気になる求人の契約期間と雇用形態の欄を読む
- 次は、事務の仕事の内容を整理した記事で、どんな仕事があるかを確かめる
- 迷ったら、このページの下の LINE から相談する
事実確認
確かめた日は2026年10月22日です。出典のページを開いて、次の事実を確かめました。
- 派遣は、派遣会社が雇った人が派遣先の指示を受けて働く形であること。有期・無期の派遣労働者、登録型の意味。許可の基準に、派遣契約が終わっただけで無期の人を解雇できる規定が無いことがあること:厚生労働省「労働者派遣事業を適正に実施するために」(平成30年4月)。
- 職業紹介の説明(求人者と求職者の雇用関係の成立をあっせんすること):同じ資料の図解。
- 求人票の見本に契約期間と、派遣労働者として雇用する場合の欄があること、雇用形態を偽る表示が虚偽の例であること:厚生労働省のリーフレット(2枚目の画面で読んだ)。
- 事務的職業に含まれる区分:ハローワークインターネットサービス「06 事務的職業」。
- 許可の基準(派遣契約が終わっただけで無期の人を解雇できる規定が無いこと):厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」2ページ。
出典にない運営会社のまとめは、表の「入口」の整理、「直接雇用」の説明の一部、「経験がなくても、入口は考えられます」の節、「入口を選ぶときに考えたいこと」、仕事を覚える場を確かめるすすめ、「次にやること」です。
2026年10月22日に、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」(令和8年10月1日適用版)の第1の1・2・3(4)(1〜17ページ)で、派遣の三者の関係(雇用関係は派遣元、指揮命令は派遣先)、有期・無期雇用派遣労働者の意味、登録型の意味が、本文の書いていること(平成30年4月の手続マニュアルの内容)と同じであることを確かめました。許可の基準にある、無期雇用派遣労働者を派遣契約の終了のみを理由に解雇できる旨の規定がないことは、同じ要領の第3の1(8)(61ページ)で同じであることを確かめました。職業紹介の意味は、「職業紹介事業の業務運営要領」(令和8年10月1日適用版)の第1の1(1)(1ページ)で、同じであることを確かめました。


