事務の仕事に興味はあるけれど、パソコンが得意とは言えない。そんな不安を、よく聞きます。パソコンは、事務の仕事で使う場面の多い道具です。ただ、最初から使いこなせる人ばかりではありません。仕事の前や、仕事を始めてからの学び方にも、いくつかの道があります。
このページでは、事務でよく使うパソコンの作業と、国や派遣会社の仕組みなど、学べる場所を整理します。制度の中身は、公的な資料で確かめたものだけを書きました。
パソコンの基本を学べる2つの場所
事務でよく使うパソコンの作業
ここは運営会社の整理です。事務の仕事でパソコンを使う場面は多いので、最初に慣れておきたい作業を、4つにまとめました。
- 文書の作成:手紙やお知らせの文面を整える
- 表計算:数字を入れて、合計や平均を出す
- メール:宛名や件名を整えて、ていねいな文面を書く
- キーボードでの入力:数字や文字を、ミスなく入れる
職業分類にも、パソコン操作員やデータ入力事務員という区分があります(「06 事務的職業」)。パソコンを使う仕事が、事務の中の1つのまとまりとして扱われている、ということです。
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資格がないと始められないの?
ここは運営会社の考えです。資格は、あると学んだことを示せる手がかりになります。応募したい求人に、必要な資格や、あると望ましい資格が書かれているかどうかは、求人票の応募条件の欄で確かめましょう。
細かい決まりや仕事の進め方は、職場によって違うことがあります。そのぶん、職場に入ってから教わる部分も大きいかもしれません。まずは、基本の作業に慣れることを目標にしてみましょう。
学べる場所1:国のハロートレーニング
ハロートレーニングは、しごとを探している人向けの、国の職業訓練です。2つの種類があります(ハロトレ特設サイト「ハロートレーニングについて知る」)。
| 種類 | 主な対象 | 受講料 |
|---|---|---|
| 公共職業訓練(離職者訓練) | 主に雇用保険を受給している人 | 原則無料(テキスト代は自己負担) |
| 求職者支援訓練 | 主に雇用保険を受給できない人 | 原則無料(テキスト代は自己負担) |
求職者支援訓練では、一定の条件を満たすと、職業訓練受講給付金を受けられることがあります。
事務系のコースとして、特設サイトの「こんな人にオススメ」のページには、OA事務科の例が載っています。簿記検定や表計算検定、ワープロ検定、社会人常識マナー検定といった資格に関連した内容を学びます。資格を受けるかどうかは任意です(ハロトレ特設サイト「こんな人にオススメ」)。同じページには、雇用保険の受給資格の有無にかかわらず受講できる、とも書かれています。学校を出たあと就職が決まらないまま卒業した人なども、対象の例に挙がっています。
受講するには、手順があります。
- ハローワークで求職の申込みと職業相談をする
- 訓練の受講を申し込む
- 面接や筆記試験を受ける
- 合格すると「受講あっせん」を受ける
どのコースがあるかや、自分が受けられるかなど、くわしいことは、お近くのハローワークで確かめてください。まずは相談してみるのが出発点です。
学べる場所2:派遣会社の教育訓練
派遣という働き方を選ぶ場合は、派遣会社の教育訓練も、学ぶ場所の1つです。
厚生労働省の資料によると、派遣会社が国の許可を受けるには、キャリア形成を意識した教育訓練の計画が必要です。内容の決まりは、次のとおりです(厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」第3の許可基準、平成27年労働者派遣法改正法の概要)。
- その会社で雇っている派遣労働者すべてが対象であること
- 有給で、無償で受けられること
- 入社したときの教育訓練が含まれること
- 無期雇用の派遣労働者には、長期的なキャリア形成を意識した内容にすること
- フルタイムで1年以上働く見込みの人には、少なくとも最初の3年間は、毎年おおむね8時間以上、受ける機会を用意すること
- 希望する人が、キャリアの相談を受けられる窓口があること
研修の中身(パソコンの練習がどのくらい入るか、など)は、派遣会社ごとに違います。ここは、決まりの範囲を超えて、会社が決めるところです。相談のときに、入社したあとの研修を具体的に聞いてみましょう。
自分で練習するなら
ここは運営会社の考えです。パソコンが手元にあれば、次のような練習から始められます。
- 好きなことを題材に、1ページの文書を作ってみる
- 1週間の支出を表計算ソフトにまとめて、合計を出してみる
- 友人や家族への連絡を、ビジネスメールの書き方で下書きしてみる
作ったものを見返して、「どこで手が止まったか」をメモしておくと、学ぶべきところが見えてきます。
次にやること
- 事務でよく使う4つの作業のうち、いちばん不安なものを選ぶ
- 学びたいときは、お近くのハローワークでハロートレーニングについて聞く
- 派遣という働き方が気になったら、無期雇用派遣と登録型派遣のちがいの記事を読む
- 迷ったら、このページの下の LINE から相談する
事実確認
確かめた日は2026年10月22日です。出典のページを開いて、次の事実を確かめました。
- ハロートレーニングの2種類と対象、受講料が原則無料でテキスト代が自己負担であること、受講の流れ、職業訓練受講給付金:ハロトレ特設サイト「ハロートレーニングについて知る」。
- OA事務科の例、資格受験は任意であること、雇用保険の受給資格の有無にかかわらず受講できること:「こんな人にオススメ」。
- パソコン操作員・データ入力事務員の区分があること:「06 事務的職業」。
- 派遣会社の教育訓練の決まり(すべての派遣労働者が対象・有給で無償・入社時・無期の人には長期的なキャリア形成・毎年おおむね8時間以上・相談窓口):厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」3ページ。
出典にない運営会社のまとめは、最初に慣れたい4つの作業、「資格がないと始められないの?」の節、「自分で練習するなら」の3つの例、研修の中身は会社ごとに違うという説明、「次にやること」です。
2026年10月22日に、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」(令和8年10月1日適用版)の第3の1(8)(57〜59ページ)と第6の3(164〜168ページ)で、派遣会社の教育訓練の決まり(雇う派遣労働者すべてが対象・有給で無償・入職時の訓練を含む・無期雇用の人には長期的なキャリア形成を念頭に置いた内容・相談窓口)が、本文の書いていること(2015年の資料の内容)と同じであることを確かめました。直した点が1つあります。毎年おおむね8時間以上の機会は、要領では「少なくとも最初の3年間は」という条件つきなので、本文にその条件を足しました。


